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大山倍達の偶像崩壊! 「添野義二 極真鎮魂歌: 大山倍達外伝」 小島一志著 を読む [格闘技]

添野義二 極真鎮魂歌: 大山倍達外伝

極真の虎、と言われていた添野義二氏の本です。
著者は、いろいろと話題のある小島一志氏です。
この本は、発売前からAmazonで予約して、発売日に読みました。490ページの大作です。その後、仕事が忙しくなったためブログに書くのがかなり遅れてしまいました。
この本に対していろいろと思う人はいると思いますが、私は「大山倍達正伝」に劣らない名著だと感じました。

本の内容は、添野氏が語り、その後小島氏がその時代背景や極真会の状況に関して注釈を付けるという構成になっています。読んでいると、時々「これは小島さんの意見では?」と思えるような内容を添野さんが語っているように思える箇所があって気になりましたが、当然内容は添野氏の監修済みでしょうから、添野氏小島氏共通の思いだと解釈して読み進めました。

読み終わって感じたのは大きな虚脱感です。自分は、こんなにひどい男である大山倍達を崇拝していたのか...という空しさです。小学生以来崇拝していた「大山館長」の偶像が完全に崩れ去りました。
(これまでの小島氏の著書で、ほとんど崩れていたのですが、まだ少し残っていました。(笑))
これまで小島氏の本以外の色々な本で大山館長の守銭奴ぶりは書かれていましたが、どこかで「でも本当は違うのでは」という思い(そう思いたい)がありましたが、この本でその思いも吹き飛びました。
ただし、添野氏も、添野氏が語る芦原氏もそのような大山館長の非道さを何度も口にしていましたが、それはあくまでも親のひどさを他人に話をしているようなものです。関係のない人が同調して同じ事を口にしたりすると、ただでは済まなかったようです。(^^) ひどい男ではありますが、師であり親である大山倍達という事でしょう。

添野氏は、極真会館創立時からの大山館長の弟子で、常に館長の手足となって、文字通り本当に体を張って極真のために動いてきました。しかし、それにも関わらず1980年9月、添野氏は極真会館から除名処分を受けました。これは武道の世界で言えば「破門」という事です。大山館長の常套手段として組織の影に隠れて自分は出てこないですが、大山館長の意思で破門にした事は明らかです。

大山館長が亡くなった時、極真会館がいくつかの派分裂しました。その中で、私は当初から松井氏が正統な後継者であると考えていました。それは、無くなる前からずっと松井氏を可愛がっていて、後継者にしようとしているのだろう、という事を感じていたからです。
たしかに軽挙妄動タイプで自己中心主義の権化と言ってもいい館長は、その時の打算で「私の後継者は誰々・・・」と簡単に口にした。時には中村忠師範だったり、芦原先輩だったり、真樹先生だったり、私に向かって「極真の後継者は添野しかいないよ」と公言したこともある。「後継者」の名前はコロコロ変わった。要は、「極真会館の跡継ぎ」に関する館長の言葉には何の重みもない・・・大山館長はそんなことを真剣に考えたことなどないに違いない。(P205)
確かに、過去の事を考えると頷ける内容です。

そんな添野氏が破門になった理由は、やはり梶原先生、真樹先生との確執が原因のようです。
大山倍達の一代記として始まった「空手バカ一代」は、つのだじろうの描いていた一部が終わり、影丸譲也の描く二部では、人気に陰りが見えてきました。しかし、梶原先生が、芦原英幸、添野義二、山崎照朝などの弟子たちを登場させるとまた人気が急上昇しました。これに対して大山館長は、かなり気に入らなく思っていたようです。これが遠因となり、館長と梶原兄弟の仲にも亀裂が生じてきました。
そのあおりで、梶原兄弟と親しい、芦原、添野も気に食わないという状況の行きつく先が、破門という事です。

そんな添野氏ですが、破門された後も大山館長と定期的に会っていたそうです。
最初に後楽園のサウナ室で館長と会った時、
添野、いろいろ大変たったろうが、私は私で組織の長という立場があるからね。私の一存ではなかなか動けない事もあるのよ。(中略)私は今でも君を可愛い弟子たと思ってるよ。極真で一番の弟子は君だよ。たからねえ、しばらくほとぼりを覚まして、また極真に戻ってくればいいんたよ。
(韓国なまりをそのまま記載)
この時、添野氏は初めて館長に対して怒りをぶつけたそうです。
今さら何言ってるんですか? 今まで大山先生の身代りになって命を張って、人を殺す直前までやらせておいて、それで逮捕されたら『責任は全部、添野にある』と先生は逃げたそうじゃないですか。(中略)館長、言っておきますが自分はただの鉄砲玉じゃないですから、芦原先輩のように変化球使えるほど器用じゃないですから。今度お会いしたときには、それなりのケジメをつけさせてもらいます。
その後、サウナで大山館長は必ず体の大きな内弟子を同伴させたそうです。

また、添野氏は梶原一騎先生の葬儀に大山館長が来なかった事に対してかなりの怒りを書いています。
人間にとって社会で生きる以上、最も大切な事は「義」ではないだろうか。であるならば人生の大きな節目である冠婚葬祭において「義」を外す行為は許されない。(中略)私は思った。この人は十年前と何も変わっていないのだ。利用する価値があればすり寄って、価値がなくなれば簡単に捨てる。その人間の最期を看取ることに興味さえないのだ。
中村忠氏の本にも、お世話になった方の葬儀に興味を示さない大山館長に対する不満が書かれていたと記憶しています。館長には昔からそのような人だったのでしょう。

書き出すと切りがありません。
今回はこの辺で。

大山倍達については、以下もご覧ください。
・大山倍達と民族運動 「大山倍達正伝」 小島一志、塚本佳子著 を読む その1
・ケンカ十段! 芦原英幸正伝 小島一志著 を読む その1
・極真会館はなぜ分裂したのか? 大山倍達の遺言 小島一志、塚本佳子著 を読む
・笹川良一氏と大山館長の生き方について 悪名の棺 笹川良一伝
・日本の空手界を変えた名著! 「空手バカ一代」を読みなおす 
・ケンカ道 その”究極の秘技”を探る 篠原勝之著
・空手超バカ一代  石井和義著

真樹先生の本です。
・時代が梶原先生を求めている! 「兄貴」 梶原一騎の夢の残骸
・真樹先生のすてごろ人生! すてごろ懺悔
・マッキーの最新作! 「哀しき空手王」
・真樹日佐夫の百花繚乱交遊録
・ケンカ十段! 芦原英幸正伝 小島一志著 を読む その1

このブログの目次です。
http://simple-art-book.blog.so-net.ne.jp/2010-04-17-1
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